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もてぎチャンピオンカップレース第1戦
2021/03/12 レポート

もてぎチャンピオンカップレース第1戦 

3月7日 ツインリンクもてぎ

全国のサーキットで続々とシリーズの幕が開けられているが、
岡山国際サーキット、鈴鹿サーキットに続いたのは、ツインリンクもてぎ。
3月7日に「もてぎチャンピオンカップレース第1戦」が開催され、「もてぎスポーツVITA」も新たなシーズンを迎えることとなった。

今回は「VITA TROPHY」とのWタイトルではないこと、また昨年のチャンピオンであり、
開催された3戦すべて制したイノウエケイイチ選手が、監督を務めるスーパーGTのテストを優先したこともあって欠場。そのため、エントリーは12台に留まった。

10時40分から15分間の計測で行われた予選は、
当初の天気予報では「極寒」が伝えられていたが、比較的穏やかなコンディションとなり、上空には青空も。
レコードタイム更新にはむしろ、やや高めの温度になっていたようだ。

そんな状況の中で、ひとり気を吐いていたのが、
もてぎのレースには2年ぶりの参加となる、いむらせいじ選手だった。
計測1周目から2分15秒台に入れ、次の周には14秒580、14秒168、そして13秒582と着実に刻んでいく。
終了間際には「とどめの一発!」とばかりに13秒494にまで短縮。
堂々のポールポジションを獲得することとなった。

2番手につけたのは佐藤考洋選手。だが、2分15秒731を記すに留まり、いむら選手との差は2秒3にも。
フロントローにつけた喜びより、タイム差に対するショックを隠しえない様子だった。

3番手は、今回のレースは欠場となった茂木祐一選手のピンチヒッターとして参戦の、神蔵俊平選手が獲得。
2分15秒779をマークした。

4番手は昨年の第1戦以来の出場となる、おぎねぇ選手で、

5番手には終了間際にイシカワヨシオ選手が滑り込んできた。

ポールポジション:いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)

「まぁ、予定どおりです。この前の鈴鹿から、いい流れが来ています。
練習走行からこのぐらいのタイムは出ていたので、今回ちょっと楽させてもらおうと思って(笑)。
また充電して、鈴鹿にぶちまけたいと思います。
もてぎでポールは2年ぶりで、去年はコロナもあったし、CS2をメインで出ていたので、
VITAは全部スポットで出ていたんですよ、シリーズは追いかけずに。
今年は東日本でどれだけ勝てるかやってみようかと、できる範囲で。決勝はクルージングします!」

予選2番手:佐藤考洋選手(TIPO FUCHS ETA)

「いやぁ、トップはちょっと見えないです。
僕も昨日よりタイム上がっているし、もちろん新品タイヤというのもあるし、
昨日よりも温度が低いんで、乗っていてもパワー感あるし、
ある程度タイムは出るだろうと思っていましたが、いむらさんのタイムはね……。
決勝は、いむらさんにどれだけ着いていけるか、ってところで頑張りたいと思いますけど、
いや〜、ちょっと練習しないとダメですね! ちょっと離されすぎですよね」

予選3番手:神蔵俊平選手(ブライルバッテリーマーズ-01)

「必死に精いっぱい走っていたら、今の結果になったという。あんまり順位とか走っている時は意識しなかったです。VITAは一昨年少し出て、去年はいろいろあって出られなかったんですが、また今回。復活というか、そんな感じで参戦させてもらっています。まずは頑張って着いていくだけですね」

予選4番手 #7 おぎねえ

「今日は冷えてるからなかなか難しいかなって思ってたけど、4周目くらいから凄いグリップし始めて16秒1までいきました!
そのあと欲張って15秒台目指したら回っちゃいました笑
決勝は前に行く事は考えずに楽しみたいです。


【決勝】
引き続き穏やかな天候に恵まれた決勝レースは、14時45分から10周で争われた。


 

ポールシッターのいむら選手以上のスタートダッシュを決めたのが、2番手の佐藤選手だったが、横に並ぶまでには至らず。

その後方では、神蔵選手がやや出遅れ、スタート直後に並んだのがおぎねぇ選手。
さらに好スタートを切ったイシカワ選手が、ふたりの間に割って入った直後に接触も! 
一瞬ヒヤリとした光景が映ったものの、大きく姿勢を乱す者はなく……。

その結果、イシカワ選手、予選6番手の河本満選手がジャンプアップに成功、神蔵選手、
おぎねぇ選手の順で1コーナーをクリアしていくこととなった。

スタートからしばらくは、いむら選手に食らいついていった佐藤選手ながら、セクター3に差し掛かったあたりから差は明確に。オープニングラップを終えた時点での、いむら選手のリードは1秒3。そして、佐藤選手もイシカワ選手に対し、ほぼ同等のリードを築いていた。

序盤のいむら選手のラップタイムは2分16秒台。それでも佐藤選手を徐々に引き離していったのだが、レースが折り返しを迎えると一気に15秒台にペースアップ! ラスト2周で2分15秒148にまで叩き込んだほど。その結果、最後は11秒差での圧勝に。久々の優勝を飾ることとなった。

2位、3位は、それぞれ終始単独走行だった、佐藤選手とイシカワ選手が獲得。

その一方で後続の争いが激しく、4周目には河本選手をかわして4番手に上がったばかりの神蔵選手が、1コーナーでスピン。また5コーナーでは、やはりおぎねぇ選手をかわした直後のジュン選手がスピンを喫し、それぞれ順位を落としてしまう。

これで労せずして、おぎねぇ選手が5番手に上がり、5周目には河本選手をパス。
しかし、河本選手も遅れることなく続き、しきりにプレッシャーをかけ続けた後に、
8周目の1コーナーで再逆転を果たし、そのままの順位でチェッカーを受けることとなった。

6位は予選10番手から着実に順位を上げてきた、相馬充寿選手が獲得した。

優勝:いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)

「実はミッションが昨日から渋くなっちゃって、だましだまし走っていて。
今回、終わったら換えるつもりでいたわってシフトアップしていたので、ペース抑えてはいたんですよ、後ろを見ながら。あと意外とスリッピーだったんで、丁寧に行ったというのもあったんですけどね。
だけど、あまりにもつまらなかったので、ちょっと上げてみて(笑)。
実際上げてみたら、タイヤも全然余裕でした。
これでミッション直して、次のレースもまた完勝と行きたいです。次は、ここの4月のレースです!」

2位:佐藤考洋選手(TIPO FUCHS ETA)

「まったく歯が立たなかったですね、後ろは引き離せたけど。できる限りのことは、やった感じでしたが……。
エンジンパワーも足りない感じで、走り始めて1〜2周目でもう、着いていけないのが確実に分かりました。
コーナーで頑張っても、たかだか知れているし、ちょっと厳しいな、という感じでした」

3位:イシカワヨシオ選手(東京IRC・vivo・ニルズVITA)

「スタート直後、(両サイドに残されたタイヤマークを見ながら)こんななっちゃって、スピンするなと思っていたら、挟まれたままだったから良かったのかもね。
びっくりしちゃった。スタートは良かったね、さっき『スタートが下手で……』って言っていたのに(苦笑)。
ただ練習がいちばん良くて、15秒台コンスタントに出ていて走っていたのに、なんか昨日の後半からおかしくなっちゃって、何が悪いんだか、自分が悪いんだと思うんですけど。
まだクルマに慣れていないんですよね。
でも表彰台は初めてで、去年から始めて1年、ようやく表彰台に乗れるようになりました(笑)」

記事:秦 直之さん


〈ドライバーピックアップ〉
先ずは今回かっ飛ばしてくれたKYOJO大活躍中の『おぎねぇ』。

#7おぎねぇ選手

「悪くないスタートだと思ったんだけど、スタート直後の1コーナーで行けるかなと思って行ったら、
行き場を失った人たちに挟まれて当たってしまって…。
その当たってしまったイシカワさんは前に出て、そのあとはスル~と逃げちゃって。
私は48号車の後ろにいたんですが、ペースは良くなくて。そこでペースのあがってきた69号車のジュンさんが4周目にしびれを切らして仕掛けたら回っちゃってイっちゃいました。
私は48号車とずっとやり合うことになってたんですが、シーズン最初からマシン壊したくなかったんで、無理をしない、ということで開幕戦5位で落ち着きました。
できれば最終ラップで仕掛けて予選ポジションへ戻ることををひそかに狙っていたんですけどね~。

#1 佐藤考洋選手

[雑誌『Tipo』の編集長。VITA参戦記事をいつも掲載してくださっています。]
VITAは何年かなぁ、もう何年も、ETAノーベルフランで走らせてもらってます。
今シーズンもVITA トロフィのみの参戦となります。
これまで年間シリーズ2位が最上位なんで、このクルマずっとゼッケン1を付けているんですけどね、はやく本当のゼッケン1になれるようにしたいですね。
VITAって簡単に乗れるんだけど、タイムをきちんと出す、一つ上のクラスにいこうとするとすごく難しくて、
それが逆に面白いところでもありますね。
絶対的な速度はそれほど速いわけでないので危ない速さでもないですし、
センターシートレイアウトでシフトレバーも右側にあってフォーミュラ的でもあるし、レースではしっかりバトルもできるし、ランニングコストもリーズナブルですしね。
腕を磨くにはすごくいいクルマだと思ってます。

#5  相馬充寿選手

2014年にシビックをレンタルで乗り、JOY耐とか走っていましたが、2015年から、レンタルでVITAに乗って以来ずっとVITAで走っています。
このVITAは神谷さんが乗っていたクルマです。
お世話になっているマーズレーシングでしっかりメンテナンスしてもらって、チャンピオンも獲らせてもらってます。
今日は予選で4速が無くなってしまって予選10番手。そのミッショントラブルが解消しないまま決勝レースになってしまって…。
スタートでは1コーナーまでに何台か抜けたんですけど、3-5速で走っているんで後ろにいた皆さんは首傾げていたんでしょうね。いやぁ怖かったですよ、あおっれっぱなしでしたから。応戦一方でしたが何とか防ぎきって、6位入賞できました。次がんばります。

#39  藤原 晃輝選手
免許取り立ての18歳。今回が初レースとなります。
これまでカートなども何にもしたことがなく、今回はとりあえず完走を目指して楽しんでレースをしたいです!
従兄弟の藤原大暉選手に色々指導してもらいながら練習してきました。
藤原親父さまから皆さんでレースを楽しまれております。

「レースを終えて」
もてぎVITA開幕戦は12台の戦士によって賑やかにスタートしました。
訪れるたびに、関東モータースポーツファンの奥深い魅力を感じます。
そうか!どこへ行ってもやっぱり『生きてる限り車好き』なんですね。
熱い情熱、思い切り発散できる企画考えます。
もてぎ、筑波での耐久レース開催、目標です。


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