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KYOJO CUP Rd.3
2018/10/09 KYOJO

 エントリーが10台と、これまでで最も少なくなってしまったKYOJO-CUPながら、今回もとびっきりの見どころがつけ加えられていた。昨年の第2戦にスポット参戦し、女王・小山美姫から唯一ポールポジションを奪い取った、神子島みかが久々に姿を見せることだ。その時はラジエータに貼りすぎたガムテープによってオーバーヒート気味になり、エンジンのパンチを欠いたため、惜しくも2位に甘んじていた。小山の連勝を止めて、リベンジなるか注目された。

 

土曜日の練習走行が行われなかったため、日曜日の11時15分からのスタートとなった予選は、通常より10分間長い、30分間での計測となった。コンディションにも恵まれ、絶好のアタック日和の中、最初の計測ラップから小山美姫は2分1秒台に入れ、次の周には2分0秒637に、そして2分0秒252へと順調にタイムを刻んでいくが、その次の周は、逆に2分0秒326へとタイムダウン。ユーズドタイヤで挑んでいたこともあり、折り返しを迎える前にピットに戻って走行終了かと思われた。

 しかし、小山はマシンを降りることなく、メカニックはリヤの足回りを調整。5分ほど経過したところで、再びコースに戻ってアタックを再開すると、さらに2分0秒093にまで短縮を果たす。続いて2分切りを狙ってスリップストリームを使いに行くも、前を走る車両とのペースが合わず、逆にタイムを落としてしまう。それでも文句なしのポールポジション獲得となった。

 2番手は期待どおり神子島が獲得するも、2分1秒916がベストで小山とはほぼ2秒の差をつけられてしまう。最後のアタックは、セクター1、2を自己ベストで刻んでいたが、最後の最後にガス欠症状に見舞われ、タイムアップならず。「それがなくても、ね……。ぎりぎりですよ、いっぱいいっぱい。大丈夫です、参加が目的なので。前からそうですが、目標はなくて、なるようになるで。実際、2番手狙いではあったんですが、やばいくらい彼女(小山)は、それだけ進化していたってことですよ」と神子島。

 3番手には中盤まで、おぎねぇがつけていたが、2分2秒652をマークしていた平川真子の逆転を許すことに。5番手には星七麻衣が、そして6番手にはYuri Hayashiがつけることとなった。

小山美姫(ポールポジション)

「いつもだったらタイヤが新品なので、それ以上のことはできないんですが、今回は中古だから一発もないし、使い通しても変わらないということで、いつもより計測時間が長いこともあって、いろいろ試してみることにしたんです。意外に気温が低くていけそうだと判断したので、0秒2が出た後にピットインして、もう1回行こうということになって。セットも変えて内圧もあまり下げなかったから、また出て行ってから1〜2周目にタイムが出るようにしていたんですが、スリップもいいのを使おうと考えていたら、前の人のペースの把握が足りず、追いついてしまいました。結局、タイムアップはしたものの、最後にもう1回行ったものの、自分のミスはなかったんですが、内圧が上がり過ぎてタイヤがタレていて、タイムにつながらなくて悔しいところで終わってしまって……。今日はスタートをまた決めて、気持ちよく終われれば!」

 

予選の頃はまだ上空にたっぷり雲を残していたものの、決勝レースが始まる頃には上空に青空が広がり、爽やかなコンディションの中での戦いとなった。前日のFCR-VITAに続き、スタートを決めた小山は100Rを通過した時点で、もう明らかな差をつけて早くも独走体制に持ち込んでいく。一方、神子島はスタートに出遅れて平川の先行を許し、さらにおぎねぇと星七がポジションを入れ替える。

 だが、その2番手争いも4番手争いも、早々に決着がつく。2周目には神子島が平川を、そしておぎねぇが星七を、それぞれ1コーナーで逆転。それから先は上位が単独走行となる中、星七には後続が近づいてきて、瞬く間にグループが形成される。星七に続いたのは萩原友美とHayashi、藤島知子、そしてRINA ITOだった。ところが、星七は提示された黒白旗と勘違い。7周目にピットに戻り、さらにHayashiもその周のセクター3でコースアウトがあり、せっかく築かれたグループも崩れてしまう。その中で唯一順位を上げたのがITOで、結果的には6番手に浮上した。

 そんな中、後ろを大きく引き離していた小山は、まだタイヤに余力があるのを確認すると、ファストラップの更新をはかることに。9周目には2分0秒701をマークし、最終ラップにはさらに激しくコースを攻め立てたものの、最終コーナーであわやスピンの光景が……。もちろん間一髪のところで立て直したが、2位の神子島とは19秒6差。圧勝には変わりないが、20秒さをつけられなかったことに、少々ご立腹の様子ではあった。。

 それでも開幕3連勝を達成した小山は、最終戦を待たずして2連覇を達成! 2位は神子島が、3位は平川が獲得し、そして4位でゴールのおぎねぇが自己最上位につけるとともに、ランキング2位に浮上した。最終戦でも小山が勝って、果たして2年連続パーフェクトなるか。おぎねぇを筆頭とする、大接戦のランキング2位争いを制するのは誰か。注目の最終戦は11月18日に開催される。

小山美姫(優勝)

「スタートは決まったんですが、問題ありありのレースでした! 最終ラップのひとつ前の周に0秒7を出せたので、もう一発行こうと思ったら、最終コーナーでまたスピンしかけて。それで19秒6差。ハーフスピンなんてしなければ余裕で20秒行けていたし、普通に走っていっても、きっと20秒差になっていたと思うんです。後悔しています、ハァ〜って感じです。今回は不可能を可能にしようとしたんじゃなくて、自分で可能を不可能にしてしまいました。だから、今回は反省点も多いレースでした。チャンピオンは嬉しいことなんですけど、正直レース前に気にしなさ過ぎて、終わってからどうだっていうのは、あんまりありません。このまま全戦ポール・トゥ・ウィンでやりきりたいな、って思いだけですね」

 

神子島みか(2位)

「スタートは失敗しちゃいました。でも、(平川が)上手だったから、抜くにしてもお互いいい関係で行けたというか。スタートで前に行かれたのが、あの子で良かったです。他の人だったら怖かったかもしれません。(小山には)追いつかないですよ、たぶんコーナーひとつ少なくて、違うところ走っているのかもしれないなぁ(笑)。ただ、自分としては1年ぶりに出ても2位になれたのは、本当にクルマがすごくいいからなので、それはチームにすごく感謝しています」

 

平川真子(3位)

「1周目だけですね、良かったのは。スタートだけで。スタートだけ得意で、あとはタイムが全然出ていないので。内容は1戦ごと、良くなってはいると思うんですけど……」

記事: 秦 直之さん


 

ママでありながら久々のドライビングでこの走りはあっぱれの神子島みか選手と、1戦1戦確実に速さを物にしている平川真子選手。

まだまだ伸び代が大きく将来が楽しみと声が上がる星名 麻衣選手。

若いもんにはまだまだ負けません!現在ランキング2位のおぎねぇ。

昭和の女性は強いのだ!

いつも北海道から大勢で参加してくださるカッコイイ恒志堂レーシングの皆さまと、高橋 純子選手。ありがとうございます。