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北海道クラブマンカップレース第2戦
2022/07/28 レポート

北海道クラブマンカップレース第2戦
7月3日 十勝スピードウェイ

全5戦で争われる、十勝スピードウェイのVITA-01は7月3日のレースで2戦目を迎えることとなった。
諸事情により、第1戦はレポートできなかったので、どんなレース展開だったのか、ウィナーでもあり、そしてディフェンディングチャンピオンでもある佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)に聞いてみることにした。

「予選は2番手でした。1番手は大島良平選手(TBR VITA #778)で、予選としては完敗でしたけど、決勝レースではスタートは正直、けっこう自信があったので、ていねいにスタートを決めて、ホールショットを決めて、それでオープニングラップはトップで戻ってきました」
「ただ、そのあと何度もトップが入れ替わるような、12ラップ、常にバトルしている状況だったので、あまり無理をすると、後ろの3番手、4番手が得をするような展開になるので、後ろにつかれないような無理のないバトルを心がけました。

中盤で大島選手がちょっとペースを上げて逃げるような感じがあったので、その時に無理してオーバーテイクするよりも、相手の挙動をしっかり確認しようと。
自分はギリギリ着いていく感じで、タイヤになるべく負担をかけない、こじったり、空転させたりしないドライビングを心がけていました」
「終盤にチャンスをうかがっていたところ、ラスト2周ですかね? 最終コーナーで大島選手が、オーバーステアを出して、少し挙動が乱れたので、これはチャンスと思って、ストレートでオーバーテイクして。その後ポジションキープして勝ったという展開なので、本当にタイヤマネージメント勝負だった、面白い、すごく緊張感のあるレースでした」

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と、こんな具合だったそうだが、その佐藤選手を従えてポールポジションを獲得し、決勝でも互角の戦いを繰り広げた大島選手とは? さっそく自己紹介をしてもらおう。

「今までモータースポーツはまるでやっていなくて、VITAからです。
恒志堂レーシングさんで5年、2018年から3年ぐらい練習させてもらって、借りていた車を去年譲ってもらい1年やって、今年は協力していただける方がいたので、新車を購入して今年はTBRというチームで、2台体制でやっています」
「もともと車は大好きだったんですが、サーキットにも年に2回か3回来るか来ないかっていう感じでした。そんな時に、佐藤さんに誘ってもらって今に至る感じです」

大島選手がレースを始めるきっかけが、誰あろう、佐藤選手との出会いだったのだ。お互いを理解しあっていたから、前述の迫真のバトルを繰り広げられたのだろう。
佐藤選手は、そんな大島選手をこう評価する。

「大島選手は今年から新型エンジンのマシンになって、去年まで旧型エンジンのマシンだったんですけど、これまで蓄積したトレーニングとデータがあって、しかも新型エンジンになったことで、すごく速くて強い。本人もマシンも作り上げてきたので、ミスをしたほうが負けだな、というレース展開になりました」と。

併せて今回の目標はと、聞くと「今回は当然、ポールポジションと優勝、ファステストと全部フルポイントで勝つのを目標にしています。ディフェンディングチャンピオンとして臨む今年は良い意味で、私も勉強になっているというか、マネージメントを意識しながら勝っていくというのが大事なので、応援よろしくお願いします!」と佐藤選手。今回もまた、どうやら大激戦が期待できそうだ。

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公式予選

多くのドライバーが練習を開始した金曜日は、気温が20度を下回り、涼しいを通り越して寒いぐらいで、ある意味、北海道らしくあった。

しかし、土曜日から気温も上がり始めて日曜日には気温は30度を超え、一説には34度に達していたとか! 
路面温度も40度を超えるという、十勝としては異常事態となっていたが、湿度は低めで、弱めながらも風も吹いていたから、本州から来た身としては外でも日陰にいられさえすれば、過ごしやすかったというのが正直な印象ではあった。

さて、予選は9時10分から20分の計測で競われた。先頭でコースインしたのは佐藤選手。ところが、すぐにピットに戻ってくる。内圧調整でもしていたのかと思いきや、そうではなかった。
すぐにコースに戻って、本格的に走り始める間に、やはりと言うべきかトップに立っていたのは大島選手だった。
計測2周目には1分35秒台、3周目には1分34秒台に入れた次の周には1分33秒439で、その時点で2番手に躍り出ていた坂本幸照選手(十勝スクールワイズvitaチームナオト)を1秒以上引き離す。

しかし、大島選手がその後やや伸び悩んでいる間に、上がって来たのが佐藤選手だった。1分33秒555をマークして2番手に上がると、次の周には1分33秒343でトップに浮上。タイミングをほぼ同じくして、坂本選手が1分33秒987にまで短縮を果たしていた。

佐藤選手は、その後も1分33秒台を連発するも、なかなかベストタイム更新とはならず、やはり路面温度の上昇が著しく、もうこれ以上は……と思われた矢先に、平中繁延選手(HDC 日本平中自動車 VITA)が1分34秒041で、4番手に浮上。さらに大島選手もラスト2周で、ようやくタイムを上げるも、1分33秒379で佐藤選手には一歩及ばず。

佐藤選手がポールポジションを獲得し、大島選手は2戦連続ならず。3番手は坂本選手で、4番手が平中選手。5番手は鶴田哲平選手(恒志堂レーシングVITA 35号機)で、6番手は松橋智史選手(松橋歯科クリニック・STEP VITA 555)が獲得していた。

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ポールポジション:佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)

「最初、ピットインしたのは)あれ、トランスポンダー積むの、忘れていました。なんと凡ミスです。
でも今日、予想より路面温度と気温が高いので、タイヤの発熱が早くて、いつもより2〜3ラップ早めにベストが出るような状況だったので、最初に決めなきゃいかないな、という感じで、前半でとりあえずタイムを出して、無事ポールポジションが獲れました。このまま逃げ切りたいと思います!」

予選2番手:大島良平選手(TBR VITA #778)
「もうちょっとだったんですけどね! なんとかまた1番獲れたら嬉しかったし、盛り上がるし。
なんか、ちょっとでしたね。決勝はなんとか食らいついていきます。
暑すぎて、今日はいつもの感覚とは違って、北海道ってこんなに暑いのは珍しいから、コントロールが難しいみたいな感じがするので、ベストを出しながら、ちょっとでも相手のミスを待って、自分は最低限ミスらず、淡々と追い上げたいと思います」

予選3番手:坂本幸照選手(十勝スクールワイズvitaチームナオト)

「いやあ、失敗ばっかりしちゃって、人のスリップ使おうと、そんなことばかり意識していたら、あんまり集中して走れなかったです。かなり悔いが残ります。前のふたりとはコンマ6も離されましたが、決勝はたぶん着いていけると思うんですけどね。自信はあります」

予選4番手:平中繁延選手(HDC 日本平中自動車 VITA)
「昨日は3秒台出せていたから、『よぉし、出せるぞ』と思っていたんですけど、ダメだったぁ。
路面温度は40度オーバー! 路面が太陽に照りつかされているから、滑る、滑る。最初は乗りづらかった。
で、みんなに煽られるから、『どうぞ行ってください』って、こっち寄って行かせてね。
でないと、後ろが気になっちゃうから。それでタイヤの発熱が遅れたんで、ようやく後半でタイム出せたんだけど、すごく滑っていたよ、最後まで」

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PIT

[北海道の笑顔は爽やかで素敵なのです]

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決勝レース

決勝レースは12周で争われ、コースイン開始は12時35分から。何せ暑いので、それぞれコースインをギリギリまで遅らせていたのが、印象的だった。それでも、16台すべてピットロードクローズドまでにピットを離れていた。

得意とするスタートを、しっかり佐藤選手が決めて1コーナーへのホールショットに成功。これに遅れず大島選手が続き、坂本選手、平中選手と予選順位そのままに続いていく。
だが、クリアスタートが伝えられて間もなく、3コーナーの進入でアクシデントが発生。
鶴田選手と鬼塚益生選手(十勝スクールPIKAL VITA)が接触してストップしたため、赤旗が出されてしまう。
鶴田選手はすぐマシンを降りたものの、鬼塚選手はなかなか降りられず。救急車で搬送されるも、大事に至らなかったのは不幸中の幸い。

マシン回収とコース補修のため、約30分中断された後、レースはセーフティカースタートで再開されることに。
2周の先導の後、グリーンシグナルが灯される。

リスタートではトップを守った佐藤選手ながら、案の定、大島選手がピタリと食らいついて離れない。そして、大島選手は早くも勝負に討って出た。

4周目の1コーナーで、佐藤選手のインを突き、大島選手がトップに浮上。この間にリスタートでは離されていた坂本選手も近づき、トップ争いを3台で演じるようにもなる。

一方、4番手は単独走行の平中選手だったが、予選9番手だった四倉悠聖選手(HDC 日本平中自動車 VITA)が徐々に迫って来る。
目の前で起こったアクシデントも巧みに回避した四倉選手は、さらにリスタート後には6番手に浮上。
そして7周目には松橋選手を抜いて、平中選手の真後ろまでやって来たというわけだ。

若いチームメイトとあって、バトルは避けて四倉選手に譲った平中選手だったが、結果的に松橋選手、浅井康児選手(恒志堂レーシングVITA 310号機)の接近も許すことに。
4台が団子状態となり、9周目の3コーナーでは接触が。

そこで止まっていたのは四倉選手で、松橋選手が順位を落とした一方で、浅井選手が4番手に浮上する。さらに漁夫の利を得る格好で、星野丈選手(HiroB☆MART☆STEP VITA)が一躍5番手に。次の周には平中選手の先行を許すも、浅井選手ともどもアクシデントに乗じて、大きく順位を上げることとなった。

 

一方、その間にもトップ争いは激しく続いていた。ラスト2周こそ坂本選手は置いていかれたものの、大島選手と佐藤選手のバトルはチェッカー直前まで! 最後はコンマ3秒差で大島選手が辛くも逃げ切りを果たして、初優勝を飾ることとなった。

優勝:大島良平選手(TBR VITA #778)
「この前はタイヤが来ちゃって、後半がダメだったので負けちゃったので、そのあたりを考えながら、しっかりセーブしながら。
でも、『ロスを最低限に』って切り替えて走ってはいたんですが、やっぱり後ろの佐藤選手もミスしないので、もうノーミスで普通みたいな感じに走らないと、まったく離れることがなかったので、もう精神ボロボロです(笑)。
いや、なんとか〜って感じでした。全然余裕もない。とはいえ嬉しい初優勝です、ありがとうございます!」

2位:佐藤元春選手(恒志堂レーシングVITA 12号機)
「大島選手は前回の反省からタイヤマネージメントを考えられて、うまいレース展開だったので、なかなか仕掛けようと思っても仕掛けられなかったから、負けちゃいました。でも、次回につながるレースでもあったので、また頑張ります」

3位:坂本幸照選手(十勝スクールワイズvitaチームナオト)
「途中まではなんとか着いていけたんですが、やっぱり前のふたりのペースは速かったですね。タイヤもうまく使って、いいバトルをしていたんで、割り込めるかな……と思っていたんですけどミスもないし、こっちもどんどんタイヤがなくなってきて、最後は気落ちしちゃいました」

4位:浅井康児選手(恒志堂レーシングVITA 310号機)
「3台で連なって走って、ペースダウンしたところ、1コーナーがきれいに決まったので、その勢いを活かして、一気に3番手まで行けたって感じです。
ずっと狙っていたので、狙いどおりとなりました。
でも、その後はタイヤがつらくてスピンしそうで、ペースを上げられない状況でしたが、なんとかなんとか! 3位は遠かったんですが、予選を失敗していたので、しょうがないかなと思います」

5位:平中繁延選手(HDC 日本平中自動車 VITA)
「67歳、今日も頑張りました(笑)。ただ今回、暑くてセッティングが思うようにいかなくて、けっこう滑っていました。だから、決勝中もラップタイム上がっていかなかったですね。う〜ん、だから、これ限界だなと。まぁ、楽しめたんでね。良かったです」

6位:星野丈選手(HiroB☆MART☆STEP VITA 555)
「昨日まで全然うまくいかなくて、今日の本番を迎えたんですけど、いろいろメカニックの方が対策してくれて、セッティング出してくれました。
決勝では前の方に着いていくことができて、いろいろあった中、それを抜けていったら入賞って感じだったので、運もありましたけど、メカニックの方に感謝です。
VITAは今年で2年目、今回が最上位になります」

次回のレース、シリーズ第3戦は8月21日に恒例の「3時間耐久」として開催される。
本州からの遠征も予想されるレースに、ポールポジション、ファステストラップの1ポイントを加えてなお、佐藤選手と大島選手は同ポイントで並んで臨むこととなる。
大島選手の著しい成長ぶりもあり、今後も見応えのあるバトルが続けられていきそうだ。

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