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もてぎチャンピオンカップレース第1戦
2020/03/10 レポート

ツインリンクもてぎで3月8日に「もてぎチャンピオンカップレース第1戦」が開催され、
もてぎVITA/VITA Trophy Raceが、いよいよ幕を開けることとなった。

 当日は未明から早朝まで降った雨の影響で、予選、決勝ともに
ウェットコンディションで走行が重ねられた。

 新型コロナウィルス感染予防として受付時間に余裕をもたせ、
また通常はコントロールタワー1階で行われる、
その受付やブリーフィングは屋外に移されて行われていたが、
特に混乱はなかったのは何より。
さらに表彰式でのシャンパンファイトやインタビューも行わないほどの徹底ぶりで、
十分な対応ができているように見られた。

 当初のエントリーは10台だったものの、
うち1台がエントリーを取り消して9台での戦いとなったものの、
ベテランが引き続き参戦すれば、大友敦仁選手や岡庭武司選手のように
これまで筑波でのみ戦っていたドライバー、
またVITAルーキーとして大沢良明選手やイシカワヨシオ選手も参戦し、
なかなか顔ぶれはバラエティに富んでいた。

 予選は先にも述べたように、すでに雨はやんでいたものの、
ウェットコンディションで競われた。

わずかずつではあるが、徐々に路面状態が良くなっていく中、
ひとり気を吐いたのが佐藤考洋選手だった。
いきなり2分43秒台に乗せてライバルを秒単位で引き離し、
その勢いのままトップをキープし続けてタイムを縮めていく。
ラスト2周こそ伸びを欠いたものの、2分41秒297を最終的に記すこととなる。

しばらくの間、佐藤選手の他に誰も2分42秒を切ることができなかったが、

ラストアタックで大友選手が2分41秒991をマーク。
それでも佐藤選手にコンマ7秒の差をつけられていた。
ちなみに、大友選手はVITAでウェットコンディションを走るのが、これが初めてという。

 気になったのは、昨年のランキング上位陣だ。
もてぎVITA4位だった相馬充寿選手こそ3番手だったものの、

3位だったイノウエケイイチ選手が4番手、
そしてチャンピオンの茂木祐一選手が5番手に沈んでしまったことだ。
どうやら今年から変更されたコントロールタイヤで、
ウェットコンディションを走るのは初めてだったこともあり、違和感を覚えたのが原因のよう。

ポールポジション 佐藤考洋選手(TIPO ETA FUCH)

「新しいタイヤで濡れた路面を走ったのは初めてだったので、
まずタイヤを温めなきゃいけないと思い、ちょっと突っ込み気味で走って、
ブレーキはバ〜ンと踏んでタイヤに熱を入れようと。
そうやって勢いよく走っていたら、たまたまタイムが出た感じで。
まわりもこのタイヤの感触がつかめていないんでしょう。
その中では良かったのかな。
VITAではポール初めてです、間違いかと思いました(笑)。
ただ、ロータスカップなどでポールからのスタートは経験しているので、
安パイというか、落ち着いて切れば何とかなるんじゃないかと。
決勝も頑張ります」

 先に行われた決勝では一時、霧雨が舞ったりもしたが、
もてぎVITAに関しては雨に見舞われずに済んだ。
だが、路面はまだ濡れたまま。

それでも走行ライン上であるアウト側グリッドは、多少水が履けていたようだ。
そういった条件も利用して、好スタートを切ったのがポールシッターの佐藤選手。
逆に大友選手は完全に出遅れて、佐藤選手に楽々とホールショットを許したばかりか、
相馬選手、イノウエ選手、そして茂木選手にかわされてしまう。

 この中で、最も勢いに満ちていたのがイノウエ選手。
5コーナーでまずは相馬選手をかわし、ヘアピンではトップの佐藤選手に迫らんばかり。
ここでの逆転はかなわなかったが、隙あらばどこでも……という構えを見せた直後に、
なんと佐藤が最終のビクトリーコーナーでスピン! 
「完全に僕のミスです。ちょっと焦って……。行けるかなと思ったら、ダメでしたね」
とはレース後の佐藤選手。これで最後尾まで後退する。

 いっぽう、労せずしてトップに立ったイノウエ選手は、なおも絶好調。
もう1周回ってくると、2番手の相馬選手にほぼ2秒の差をつけていた。
そのまま逃げていくことも予想されたのだが、
路面状態の向上とともに勘を取り戻したのか、3周目あたりから相馬選手のペースが一気にアップ。
ファステストラップを連発して、イノウエ選手に迫っていく。
そして6周目にはついに差が1秒を切るまでに。

 逆転は時間の問題と思われたが、あろうことか相馬選手が突然失速!
(イノウエ選手を)抜く気満々だったんですが」と相馬選手。

これで茂木選手が2番手に、そして大友選手が3番手に浮上する。
そして4番手に上がっていたのは佐藤選手。

目の前にいるマシンを相次いでかわし続け、5周目にはそのポジションまで上がっていたのだ。
ただ、大友選手に追いつくまでの距離ではなかったが。

 終盤の3周は、上位3台はそれぞれ単独走行に。
一時は茂木選手にピタリと食らいついていた大友選手だったが、
ファステストラップを連発する茂木選手に離されてしまったためだ。
それでもイノウエ選手は難なく逃げ切り果たし、2018年の第4戦以来となる優勝を飾ることとなった。なお、2位の茂木選手は旧型エンジンによる、VITA Trophy Yクラスの優勝を獲得した。

優勝 イノウエケイイチ選手(ワコーズEDニルズレーシング)

「2年ぶりの優勝ですか、まぁ久々。
ここは新型と旧型エンジンでクラス分けがあって、旧型もけっこう速いんでね。
富士みたいに新型じゃなきゃいけないという感じもなく、
旧型の人もものすごく勝負に出てくるんで大変なんですよ。
今回のレースに関して言えば、路面がうまく乾いてくれたので良かったです。
セットはドライ方向だったので、狙いどおりでした。
途中で相馬選手が迫ってきましたが、危なくないようにしようと思っていましたし、
いなくなってしまったので。後半は楽でした」

2位 茂木祐一選手(プライルマーズCPR-VITA)

「こうなると予選で沈んでしまったのが、悔やまれますね。
決勝の路面は、完全なドライより3秒ぐらい落ちるような感じで、そんなコンディションでしたね。
路面がこんな風になってくれたら、少しは行けるだろうとは思っていたんですけど、
予選は慎重になりすぎました」

3位 大友敦仁選手(RAISE UP VITA01)

「何とか走り切って表彰台立てたので、良かったです。
スタートは大失敗で(笑)、5位ぐらいまで落ちました。
勝手に電源が落ちるトラブルが2回ぐらいあって、それでロスしたりもしていたので、
ちょっと悔しいですね。今後は未定で、とりあえず第1戦だけ出ましたが、
筑波よりスピードの高いもてぎは楽しかったので、また出たいですね」


《もてぎピックアップドライバー》

 さて、今回のレースでVITAデビューを果たしたイシカワヨシオ選手ですが、
もうベテラン中の大ベテラン。
かつてはRX-7でスーパーシルエットの経験を持ち、
近年はインテグラやFIT、ヴィッツレースで活躍するワンメイクレースのスペシャリストです。
そんなイシカワ選手にVITAの印象を聞いてみました。

「こういうレーシングカーは昔、ちょこっと乗ったことはあるんだけど、レースには出ていなくてね。第一印象としては、カートに乗っている感じですよね。
ただ、あんまり硬いと腰が悪いんで、それはどうかなと思って一回試乗させてもらったら、
普通のバケットシートよりしっかりしているので、
腰がずれないから痛くならずに済んだんですが、けっこうハンドルは力いりますね、小さいので」

「今は流れる感じが、全然分からなくてね。
練習もしているんだけど、来ると雨になったり、晴れても単独だったりなので、
どのぐらいのペースっていうのが分からなくて、今週の練習でようやく。
流れた感じのタイミングがワンテンポずれていて、スピンしちゃったりとか、
あとは早くアクセル開けすぎとか。
ロガーでさっき見てもらったら、コーナリングスピードは悪くないんだけど、
減速しきれていなかったり、立ち上がりで踏めていなかったり、
まぁメリハリのない(苦笑)。
でも、それはヴィッツでもFITでも、いつも言われていたことなんだけど」

「やっぱり練習不足ですね。もっと練習しないとダメ。
でも、楽しいのは楽しいですね。
今年から年代賞とかそういうのができたみたいで、そういうニンジンぶら下げられて、
なんか楽しいなと思っているんですけど、けっこう年配の方も多いんで(笑)。
もう、伸びしろなんかないですけど、もうちょっと頑張ってみます」

 土曜日の練習走行後にそう語っていたイシカワ選手ですが、
不安は的中して予選は6番手。
決勝でも中盤にコースアウトもあって、8位完走を果たすに留まってしまいました。
まさにほろ苦デビューではありましたが、過去のレースを見る限り、
イシカワ選手はかなりの負けず嫌いという印象が。
このままで終わろうはずがありませんから、今後の巻き返しに期待したいと思います。

記事:秦 直之さん

そして2020年初の女性ドライバーVITA参戦「おぎねぇ」
今年はもてぎ、富士、鈴鹿とサーキットが「おぎねぇ」を待ってます!
今年のご活躍を応援しています!

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