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FCR-VITA Rd.4 2020最終戦
2021/02/02 レポート

2020年FCR-VITAシリーズ最終戦

2021年1月30日 富士スピードウェイ

2021年最初のレースというより、2020年最後のレースというべきだろう。
コロナ禍で大幅なスケジュール変更を余儀なくされたFCR-VITAは、併催のインタープロトシリーズ、KYOJO CUPとともに、
年をまたいでようやく最終戦を迎えることとなった。

ここまで3戦を終えて、今回出場するドライバーでチャンピオン獲得の権利を持つのは6名ながら、実際のところは三浦愛選手と、小西岬選手との一騎討ちといっていいだろう。その差はわずか1ポイント。したがって、先着した方が戴冠という、極めて分かりやすい展開となった。

2日前には雪で一面の銀世界となった富士スピードウェイではあったが、

翌日からは好天に恵まれ、レース当日はピットロード脇の一部に除雪された塊を残すのみに。
ただ、24台が臨んだ予選は、青空こそ広がっていたが、極めて冷たい風が吹き、さらに早朝に行われたこともあって決して恵まれたコンディションではなかった。


《予選》

あまりにも低すぎる路面温度に誰もが手を焼く中、計測2周目には2分フラットに乗せ、トップに立ったのは翁長実希選手。次の周に小西選手がトップに立つも、直後に翁長選手、そして三浦選手のタイムが上回る。

そこから先の伸びに優ったのが三浦選手。なんと2周連続で2分を切る、1分59秒557、59秒572と好タイムを連発する。これに続いたのが、序盤にじっくりタイヤを温めていた、いむらせいじ選手で1分59秒840をマーク。
逆に翁長選手は、その後わずかにタイムを縮めるに留まり、小西選手は終盤のタイムアップを果たせず。

ポールポジション獲得を確信したのか、三浦選手はチェッカーを受けることなくピットに戻るも、

なんとその直後にいむら選手が1分59秒328をマークして逆転に成功。すでにチャンピオン獲得の権利を失ってはいるが、“今シーズン”初のポール・トゥ・ウィンを目指すこととなった。

翁長選手を間に挟み、三浦選手が2番手で、

4番手の小西選手に対し、王座獲得には一歩前進。

5番手にはルーキーの辻本始温選手、

そしてロードスターN1から転向の大野俊哉選手がデビュー戦にも関わらず6番手につけた。

また、7番手の並木俊貴選手までがトップから1秒以内というあたりに、上位陣のレベルアップを大いに感じさせた。

 

ポールポジション:いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)

「前回、前々回、走った時にクルマの調子が明らかに良くなかったので、一回1月にテストして、エンジンもくたびれていたので載せ替えて走った結果、やっぱりタイム的にはバ〜ンといって。
昨日の感触では8秒行くかと思ったんですが、ちょっと路温が低すぎてタイヤ温まるまで時間がかかってしまいました。でも、昨日のタイムよりちょっと良かったし、結果的にポールが獲れて嬉しいです。
タイトル争いなんか、まったく関係なく(笑)。
僕は楽しみに来ているので、なんの忖度もしません!」

予選2番手:三浦愛選手(LHG Racing YLT)

「最後、セクター3をうまくまとめられなくて、それでコンマ2秒ぐらい落としちゃったので、トップタイムは獲れないことはなかったんでしょうけど……。
まぁ、でも2周連続ほぼ同じタイムで周回できたので、アベレージとしては自分の方が高いと思いつつ、
2番手なのでスタートを決めて、混乱にさえ巻き込まれなければ、逃げることもできると思っています。
チャンピオン争いしている相手にはタイム差もつけられたので、
そういうところでは気持ち的にちょっと余裕持って臨めるので、落ち着いて決勝に挑みます」

予選3番手:翁長実希選手(KeePer VITA)

「ずっと中古タイヤで練習してきて、今日の予選は路温も低いということで、低い用にリヤを安定したセットにして。今までと違う乗り味だし、新品入れて、どう動くか気になっていましたけど、グリップ感はちゃんとつかめて、その分タイムも詰められました。でも、クルマの方で詰められるところが、まだまだありそうなので決勝でまた対策をして、もっともっと速く走れるように頑張ります」

予選4番手:小西岬選手(RaiseUP VITA-01)

「基本的に流れは悪くなかったと思うんですけど、風向きとかまわりのクルマとの兼ね合いで、ちょっとうまくいかなかったのが順位に影響しています。けど、そんなに焦ってはいません。(三浦選手を)追いかける展開ですけど、失うものは何もないので、思いっきりやります」


《決勝》 1/30 11:00 Weather: Fine  Track: Dry   24台

決勝レースのスタートは11時だが、依然として温度は低いまま。そのことを考慮して、フォーメイションラップは2周行うべきであったが、それはもう後の祭り。

絶妙のスタートを切って、三浦選手がいむら選手を従えて1コーナーに飛び込んでいくも、
その後方ではスピンやコースアウトが続出。
続くコカコーラコーナーやヘアピンにおいても……。

不運だったのは、そういったアクシデントに有力どころまで巻き込まれていたことだ。
翁長選手や小西選手さえ! 翁長選手はレース続行が許されたが、小西選手にいたっては、その後1コーナーで追突を受け、三浦選手と争うことなくリタイアを喫することとなった。


「しょうがない。残念ですけど、この悔しさはいつか絶対晴らします」とレース後の小西選手。

一方、このアクシデントを巧みにかいくぐって、3番手に躍り出ていたのが大野選手。
「あんなに路面が冷えている状態で、あそこまで(ブレーキングで)詰めるのはどうか」と、
豊富なレース経験が冷静な判断の源に。


そして、これに続いていたのが辻本選手だった。ただし、1周目を終えた時点でトップを争う、三浦選手といむら選手とはすでに2秒の差がついていた。

 

トップ争いは終始コンマ差。
何度もファステストラップをマークしてトップに迫った、いむら選手ではあったが、三浦選手は安定のラップタイムで寄せつけず。

チェッカーを受けた時は、最僅差であるコンマ4秒まで迫ったものの、三浦選手はまったく隙を見せなかった。
小西選手がリタイアした時点で、すでにチャンピオンは九分九厘確定していたが、
2勝目を挙げることでより花を添えていた。

トップ争いに勝るとも劣らぬバトルを繰り広げていたのは、大野選手と辻本選手だった。
2周目に辻本選手の先行を許していた大野選手ではあったが、その後も遅れることなく続き、後方から何度もチャージをかけていた。


そのたび辻本選手は鉄壁のガードで逆転を許さず、最後はコンマ07秒差にまで迫られるも、
辛くも逃げ切り成功。初めて表彰台に立つこととなった。

大野選手に続く5位はイノウエケイイチ選手で、終始単独走行。

6位は佐藤元春選手と激しく競い合っていた福岡宝昌選手が獲得、終盤は追撃を振り切っていた格好だ。

また、一時はほぼ最後尾まで退いていた翁長選手は、一時ファステストラップも記録しながら追い上げていたが、12位まで上がるのが精いっぱいだった。その後、行われたKYOJO CUPでは翁長選手が三浦選手との激戦の末に優勝を飾り、三浦選手も2位に甘んじこそしたが、FCR-VITAとのダブルタイトルも達成している。

ウィナー&チャンピオン:三浦愛選手(LHG Racing YLT)

「私にとって、初めてのチャンピオンなんです! 
F3と比べれば下のクラスになりますが、それでもこれだけレベルの高い接戦の中で、チャンピオンを獲れたというのはすごく大きいと思います。
チームとして最終戦を勝って終わりたいというのがあったので、決勝はギリギリまでセットをどうしようかと。
本当に微調整なんですけど、そこまで詰めてやってくれて、それがいい方向に向かいました。
この1年で成長できた部分もあったし、積み上げてきたものが結果としていちばんいい形で残せて良かったです。
やっとスタートも決まりましたし(笑)」

2位:いむらせいじ選手(オートルックVITA-01)

「スタートがちょっとね、食わなかったですね。でもね、意地張っても仕方ないので、大人のレースをしました。
着いていけないって感じじゃ、全然なかったんですが、無理して行く必要があるのか、そこが僕の優しさです(笑)。ベストは尽くせましたし、楽しい週末になりました」

3位:辻本始温選手(ORC☆サウンドキッズVITA)

「初めての表彰台です。ちょっと失敗したりしているので、プレッシャーがすごかったんですけど、
前に進むことだけ考えて走れたのが良かったと思います。
去年から四輪をVITAで始めて、スピードだけじゃダメだな、というのが最近になって分かって。
自分でペース乱して当たってということが多かったので、ちょっと思考回路を変えたんです。
昨日の練習でも、レース中にこうなったらどうするとかを考えていたのが良かったのかもしれません」

FCR-VITAシリーズポイント表
鈴鹿ドライバー#21元山泰成選手が4位で賞金GET♪


さて、レポートでも触れたが、今回がFCR-VITAのデビュー戦でありながら予選は6番手、
決勝はあと一歩のところで表彰台を逃したものの、4位を獲得した大野選手。
富士チャンピオンレースでは誰もが知る存在で、ロードスターN1では何度もチャンピオンを獲得しているドライバーである。

富士チャンピオンレースで実績を残してきたドライバーで、
FCR-VITAに転向したのは筆者が知る限りでは、大野選手が初めてのはず。
ほとんどのドライバーがワンメイクレース出身であったり、フォーミュラ経験者であったり、そうでなくても他のサーキットを軸にしてきている。あるいはVITAで初めてレースを始めた、というドライバーだ。

「残念ながらロードスターN1の台数が減ってきて、台数集めようと思って僕もいろんな人に声をかけたんですけど、なかなか増えなくて。それで岡山にまで遠征していて、向こうは向こうで楽しいんですけど、
やっぱりクルマ運んだりとか、そういうことを考えていたりしたら、やっぱり富士でレースしたいとなって。
そしたら台数とか面白さを考えたら、VITAしかないと。そういう感じですよね」
というのが大野選手の参戦理由だ。

第一印象に関しては「最初乗ったら、やっぱり難しいです。フォーミュラに近い感じって、こういうのなのかって。僕は本当にハコしか経験がないので、果たして通用するのか。
だからこそ、どこまで行けるのか試してみたいのがあったんです。
実際、やってみたら難しかったんですけど、ロードスターをやっていた人なら、『けっこうやれるかも』という、すごい印象もありました。
岡山でやはりロードスターをやっていた近藤(善嗣)さんが、チャンピオンを獲ったりしていますから、
何か通じるものがあるのかな、とも思いました」と大野選手。

そしてデビュー戦で確固たる結果を残した上で、今まで富士チャンピオンレースを戦ってきたドライバーに、VITAは勧められるかという質問に対し、大野選手はこう語ってくれた。

「絶対に勧められるカテゴリーだと思います。すごく面白いですから、本当に!
 これはみんな、ハマるわけだなと分かりました。
お金もそんなにかからないし、タイヤもワンメイクですし、エンジンも封印されているし。始めやすいし、面白いし、僕にとってはいいとこ尽くしです。
去年の暮れから本格的に走り始めて、トータルでまだ5日ぐらいしか走っていなくて、まだセッティングも何もなく、アライメントや車高をいじっただけ。
だから、まだまだ詰められるところはあると思うんですけど、こういう結果が残せました。
努力はやっぱり裏切らない(笑)」

最後に「富士だけじゃなくて、機会があれば鈴鹿にも! 遠征とかもしてみたいと思っています」
と語ってくれた大野選手に続く、富士チャンピオンレース出身のドライバーが続々現れてくれることと期待したい。

レポート:はたなおゆきさん


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『レースを終えて』

富士で1月にFCR-VITA開催、2020年Final Raceです。
三浦愛選手の優勝&チャンピオン🏁おめでとうございました♪
小山美姫選手に続く2人目の女性Dr.チャンピオンです。
レーシングマシンの基本が身に付けば、男性、女性問わずトップタイムをマーク出来ます。
フォーミュラを乗りやすく味付けしたのがVITAです。
木曜の雪で午後からの走行、翌日午前の走行が中止になり、厳しい路面状況でのスタート。
「この環境」で多くのことを学びました。
ロードスターから参戦してくださった大野選手、ありがとうございます!
楽しそうなお言葉をしっかりと受け止め、この先に繋げて行きたいと思います。
富士では、寒い1月であろうと、新しい風が吹き荒れていました。
これからますますVITAレースは盛り上がって行きそうです。

2021年、今年もFCR-VITAは7/22鈴鹿の1戦が含まれます。
鈴鹿Dr.にとって、シリーズポイント賞金GETのチャンスです!
5/22,23鈴鹿MEC(90分耐久)でしっかり鈴鹿を攻略しよう♪

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