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もてぎチャンプオンカップRd.2
2021/04/29 レポート

もてぎチャンピオンカップレース第2戦 もてぎスポーツVITA/VITA Trophy

4月25日 ツインリンクもてぎ

ツインリンクもてぎと筑波サーキットを舞台に、全5戦で争われるVITA Trophyの第1戦、そして、もてぎチャンピオンカップレースのもてぎスポーツVITAの第2戦が、4月25日にツインリンクもてぎで開催された。

前回は欠場のイノウエケイイチ選手も戦列に復帰し、今回のエントリーは15台。

やや雲は浮かんでいたが、青空の下で予選が行われた。


まずトップに立ったのは、土曜日までの練習で絶好調だった、いむらせいじ選手だ。いきなり2分15秒台に乗せ、これに相馬充寿選手とイノウエ選手が続く。

計測2周目には、いむら選手、イノウエ選手ともに2分14秒台に入れ、そのまま徐々に短縮を果たしていく中、
計測4周目にはイノウエ選手が2分14秒083をマークして、トップに浮上する。
2分13秒台への突入も期待されたが、これをピークにイノウエ選手はタイムが伸びなかったのに対し、
いむら選手はラストアタックで2分14秒108にまで短縮。
逆転は果たせなかったものの、イノウエ選手に僅差で続くこととなった。

3番手は2分14秒456で相馬選手が獲得、


これに続く4番手には5か月ぶりのレース復帰となった、山本龍選手で2分15秒038をマーク。

そして5番手には今回がVITA初レースとなる新井薫選手が、2分15秒274でつけることになった。

 


ポールポジション:イノウエケイイチ選手(ワコーズEDニルズVITA)

「いむいむ(いむら選手)に勝てて良かったです(笑)。
いむいむの方が練習は調子良かったんですが、本番は良かったです。見せつけてやりました。
スタートを頑張ります!」

予選2番手:いむらせいじ(オートルックVITA01)

「なぜか2番になっちゃいました。決勝はやり返します。
調子は悪くないんですが、ちょっと大人しく走っちゃったというか。
決勝は恥かかないよう、ケイイチとのバトルを楽しみます」

予選3番手:相馬充寿(ブライルマーズ・アイテック01)

「ポール狙っていたんですけど、悔しいですね。でも、昨日までミッショントラブルで悩んでいたので、ちゃんとギヤが入るように、マーズレーシングで整備してもらったんで、それに応えるように頑張って走りまして、3番手という結果でした。上位2台とは格が違いますから、胸を借りるつもりで決勝、挑みたいと思います」

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予選は穏やかなコンディションでの走行が可能だったが、
レースウィークの最終スケジュールとなるVITAの決勝レースを間近に控え、上空がにわかに灰色の雲に包まれることに。
天気予報では確かに北関東のにわか雨を伝えてはいたが、正直このタイミングで来ないでよ……と。
実際、水戸あたりではかなり強い雨に見舞われていたようだ。

 

15台のマシンがすべてグリッドに並べられたが、そのうち予選15番手のカワモトミツル選手が予選からのエンジン不調が癒えず、ピットに戻されてリタイア。14台での戦いに改められた。
そしてポツリポツリと、ついに降り出した雨はフォーメイションラップ開始3分前を伝えられたあたりから、いよいよ本格的に降り出すようになる。そして、フォーメイションアップ開始。
すると、2コーナー先で予選6番手の佐藤考洋選手がコントロールを失い、クラッシュしているではないか! 
車両回収のため、赤旗が出されてスタートディレイとなる。

約15分の中断される間に、路面は瞬く間に濡れていくも、通り雨だったようで徐々に勢いは弱まっていく。
そして、決勝は1周減算されて、改めてフォーメイションラップが行われる頃には、ほぼやんだ状態でもあった。

そんな中、好スタートを切ったのが相馬選手。

いむら選手をかわして、1コーナーにはイノウエ選手に続く2番手で飛び込んでいく。
4番手には新井選手がつけ、山本選手、西濱康行選手の順で続いていった。

オープニングラップを終えると、早くもトップグループが形成されていた。
イノウエ選手、相馬選手、いむら選手、新井選手が縦一列。
そして路面から水が履けているのを示すかのように、ラップタイムは1周ごとに向上していく。
ただ、それはライン上だけとあって、うかつに上位の4人も仕掛けられずにいた。

そういった状況であるにも関わらず、4周目に6番手に浮上するとともに、ひときわ速いタイムで周回していたのが、タナカユウキ選手だった。
オープニングラップのヘアピンでオーバーランし、11番手まで落ちていたものの、しっかり挽回していたのだ。
次の周に記したファステストラップは、なんとトップのイノウエ選手より3秒速い!

そして、6周目にはついにトップが入れ替わる。90度コーナーアウトから相馬選手がイノウエ選手をパス。


続いて7周目の90度コーナーで、インからいむら選手がイノウエ選手を抜きにかかるも、ここでの逆転は許されず。

この攻防の間に、相馬選手は間隔を1秒広げることに。

8周目、VITA初レースながら健闘を重ねていた、新井選手がV字で痛恨のスピン、これで6番手に後退。この頃にはほぼドライペースになっていただけに、まさに勢い余って……ということだったのだろう。

逆にタナカ選手が、山本選手を抜いて4番手に浮上。

そして最終ラップに、いむら選手がイノウエ選手をV字で並ぶも、立ち上がりでギヤが抜けて失速。それでも諦めず、90度コーナーの我慢比べを制した、いむら選手がイノウエ選手の前に出て、2番手浮上に成功する。

その間に逃げ切りなった相馬選手は、2018年の第3戦以来、ほぼ3年ぶりの優勝を飾る。

優勝:相馬充寿選手(ブライルマーズ・アイテック01)

「恵みの雨になりました、予想どおり。セットもちょっとだけ変えていました。
気難しい雨になるだろうな、と心構えていたら、スタート15秒前に来ました! 来ましたよ〜。
2回目のフォーメイションの頃にはやんでいて、
でもいやらしいくらいに濡れていて、特にヘアピンの方は濡れていまして、非常に悩ましい。
抜いた時は、かなりリスキーでしたが、覚悟して行きました。
2年以上ぶりの優勝で、久々です。超嬉しいです!」

2位:いむらせいじ選手(オートルックVITA01)

「残り周回、4周ぐらいかな、だいたいドライペースで行けるんじゃないかな、って状況になってきた時、
やっぱりみんなミスが多かったんで、これは最後の2周ぐらいで1位になろうと頑張っていたんですけど、
ファイナルラップの前にイノウエ選手抜いたんですけど、V字で3速落としたつもりが3速入っていなくて、
立ち上がりでギヤ入っていなくて、また抜かれちゃって。
そこ行っていれば、あの感じだと相馬選手まで行けたんじゃないかな。
まぁ、でも順当じゃないですか。見ている人は楽しめた、マニアックなレースだったんじゃないかと思います」

3位:イノウエケイイチ選手(ワコーズEDニルズVITA)

「最終ラップね。いや〜、いむらさん、ブレーキで頑張っていたので、外に飛び出さないかな、と思って待っていたら、留まっていたので。いむらさん、さすがです。
最初のうち良かったんですけど、ドライになりつつある中、ちょっとペース上げるの遅かったかな、
って感じでした。未熟でした(苦笑)」

いむら選手、イノウエ選手に続く4位はタナカ選手で、ファステストラップも獲得。
状況判断の鋭さは、さすがGTドライバーといったところ。

復帰戦の山本選手が5位で、

新井選手が6位。

予選10番手だったジュン選手が終始単独走行の中、7位でゴール。

そして西濱選手との死闘の末に、おぎねぇ選手が9位となっていた。

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〈ドライバーpickup〉

さて、今回がVITAのデビュー戦だったにも関わらず、一時は4番手につけてトップ争いを繰り広げていた新井選手。ただ者ではない……と感じた人も多いのでは? 
それもそのはず、90年代には豊富なツーリングかーレースの経験を持つのである。

「今、50歳なんですが、前にレースやっていたのは20代の頃なので、22年ぶりぐらいになります。
最初がスターレットEP71で2年ぐらい、その後はC/SNCをAE101で、さらにEP82、ミラージュカップをやっていました。最後にフォーミュラトヨタをやったんですが、鳴かず飛ばずで、ただ参戦していたというだけで、それで足を洗ってしまいました」と新井選手。

それが長い月日を経て「なぜかまた、やる気になりまして。
ヴィッツとか86とか、スーパーFJとか、いろいろ調べたんですけど、VITAがいちばん楽しそうだと思って。
レベルも高いですし、訓練にもなると思って、これを選択しました。
練習を何度かした後、オートルックに入れてもらってからも、またずっと練習していたんですが、
今回、新車が来たんで、ようやくデビューすることになりました」と新井選手は語る。

過去の経験もあることから、手応えありのデビューですかとたずねたところ、
「あるわけないじゃないですか(笑)」と即答。
続けて「リハビリ中なので、年齢も年齢だし、目も悪くなって、最初はスモークのバイザーつけていたんですが、
よく見えないので、今は晴れでもクリアです」と、正直な胸の内を明かしてもくれた。

その一方で「楽しいです。楽しくて、楽しくて。
若い頃は本気でやっていたので、楽しくなかったんです。
このチームが良くしてくれるので、助かっています。
速い先輩もいますし、チームメイトにも恵まれていますからね」とニッコリ笑顔。これが本番前。

いざ予選を迎えると、5番手につけてトップから1秒と遅れず。
「いつもどおり走ったら、こんな感じで。良くもなく、悪くもなく(笑)。
決勝は気軽に行ってきます」と語っていた新井選手でしたが、本文中にもあるとおり、一時はトップ争いも繰り広げたのは、昔取った杵柄? 終盤のスピンは残念でしたが、今後により期待のかかる展開になりました。

「特等席でトップ争いを勉強できたので、それは良かったです。スタートはたまたまうまくいって、こういうコンディションは昔から好きなんですよ。なんとか着いていけた感じで、ドライだと着いていけないので、恵みの雨にヨシヨシと思って(笑)。
楽しめました、いい体験できました。また精進してきます!」と新井選手はレース後に語ってくれました。

そしてKYOJO-CUPを中心にVITAのレースに精力的な活動を見せていた、山本龍選手ですが、
最近レースに出ていないな……と思った方もいるのでは? それにはちょっと理由がありまして。

「去年の11月、鈴鹿のレースで左手首を折っちゃって。スプーンでスピンしてガーッと行った時に、手首持っていかれてハンドルにあたって、複雑骨折しちゃったんです。それでプレートを入れて今、骨を固定している状態です。
まだ完全じゃないですけど、だいぶ良くなったんで復活しました」

なんと、そんなことがあったんですね。なので、5か月ぶりのレースとなります。

「そもそも、もてぎで最後に走ったのが一昨年の3月なんですよ。
2年ぶりのもてぎで、『なんだっけ?』って感情も多少あり(笑)。そっちの方が大きいですね。
最終コーナーの走り方なんて、すっかり分からなくなっていました。
でも、その間、他の人の走りを見たり、いろいろできたので、必ずしも無駄な時間じゃなかったです」

しかし、そうは言いつつ、予選は4番手で、決勝はひとつ順位を落としはしましたが、5位ということで復帰レースは、なかなかの好結果。

「予選は自分の中では上出来だと思っていて、もっと下の方だと思っていたので。
決勝を走った印象として、各サーキット、要求される重要なポイントって違うじゃないですか? 
もてぎはいかにきれいに立ち上がるかが、重要だと思うんですけど、私はそういうのが苦手なタイプなので、そういう意味ではいい練習になりました」と満足そう。今後の予定に関しては……。

「この後、プレートを取る手術をしなくちゃいけなくて、取った後もまた、しばらくはかかるじゃないですか。今年はいろいろ難しいので、手術のタイミングとか、リハビリのタイミングとか、レースに出られるところに、ちょっと出て、と考えています」と山本選手。どうあれ、一早い完治、お待ちしております!

記事:秦直之さん


4/25(日)もてぎチャンピオンカップRd.2が開催されました。
ここではスーパーGT参戦チーム、老舗レーシングチームの皆様がVITAレースを盛り上げてくださり
手に汗を握るハイレベルなレース展開となっています。
少し体が鈍ったかな、と思う方も「走るって楽しい!」「生きてるって楽しい」と思えること。
そして間違いなく身体が健康になって行くこと。
新しいモータースポーツの楽しみ方を教えてくれています。

一生懸命仕事をして、大好きな車で遊ぶ。
これが新しい大人のライフスタイルかも♪

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