WEST RACING CARS 三重県鈴鹿市のレーシングカーコンストラクター

リンク お問い合わせ

北海道クラブマンカップレース‘第2戦
2019/08/19 レポート

 

北海道の十勝スピードウェイを舞台とする、北海道クラブマンカップレースでVITA-01が用いられるようになって久しい。
2010年に最初のレースが鈴鹿サーキットで行われ、その翌年には十勝でもレースがスタートしたからだ。
本州ではすでに終了した、ザウルスジュニアでのレースが今でも根強く開催されているせいか、いち早く関心を集めたのだろう。

9年目の十勝VITAレースは、北海道クラブマンシリーズそのものは全4戦で競われるが、第2戦と第4戦を2レース開催とし、第3戦は3時間耐久が予定されている。したがって、全6戦で競われることとなる。

 その第1戦は、あいにくと鈴鹿のVITA OF ASIAと日程が重なってしまった。その時のエントリーは12台。
優勝を飾ったのは、昨年まで富士スピードウェイでFCR-VITAを戦っていた鶴賀義幸。
予選では古井戸竜一にコンマ6秒の差をつけてポールポジションを獲得し、決勝でも、まったく危なげない走りを見せて7秒差の圧勝とした。古井戸に次ぐ3位は、竹谷和浩が獲得した。

 しかし、第2戦では当初エントリーリストにあった、鶴賀の名前はなくなっていた。今年は併せて参戦する、GR 86/BRZレースクラブマンシリーズが第2戦でも行われ、ランキング上位にもつけているため、Wエントリーによる慌ただしさを所属するチーム、Koshido Racingが配慮してくれたからだ。

「チームと相談して、快く86/BRZレース一本でやることを認めてくれました。感謝しています。実は前回が初優勝だったんです。FCR-VITAでは2位留まりで、一度も勝てませんでしたから。本当のことを言えば、成長した姿を見てもらいたかったんですが」と鶴賀。

2レース開催ながら、予選は1回のみ。グリッドはレース1を予選結果で、レース2はレース1のベストタイム順に決められることとなった。
さて、この週末といえば、台風10号に全国各地が悪天候に見舞われ、当然十勝でも影響を及ぼすことが懸念されたが、金曜日の未明に日本海で温帯低気圧に変化したため、本番前日となる土曜日は、まさに台風一過の猛暑に見舞われたが、練習はすべてドライコンディションで走行可能に。
また、日曜日は北海道らしい。さわやかな暑さに転じてもいた。

予選で1分33秒778をマークし、ポールポジションを獲得したのは、前回2位の古井戸だった。
ひとり1分33秒台に乗せ、2番手につけた佐藤元春をコンマ2秒引き離す。
3番手は竹谷で、4番手は平中繁延。以下、中川隆吾、坂本幸照までが1分34秒台を記していた。

→クリックで拡大

「けっこう路面が滑りやすかったのと、あと86のラバーがきつかったので、かなり大変な予選でした。若干いつもより落ちてますね、ベストで2秒とか3秒前半まで、いつも行くので。ちょっと悪かったな、という感じです。全然油断できないですよ、決勝も。スタートがうまくいけばいいですけど、バトル入っちゃって(路面の)ラバー側に振らされちゃったら、最後ですから。とりあえずスタートを決めて、そのまま帰ってきたいですね」(古井戸)

レース1は古井戸の思いがかなって、スタートに成功。1コーナーにはトップで飛び込んでいくも、佐藤も同様に好スタートを決めて古井戸にピタリ食らいついて離れず。2台で後続を引き離し、激しいトップ争いを繰り広げた。

「厳しいレースでした。古井戸選手のミスを待ったんですけど、ちっともしてくれなくて」と佐藤が語るとおり、古井戸は鉄壁のガードで逆転を許さず。

その後方では竹谷、坂本、平中による激しい3番手争いが繰り広げ、中でも勢いに勝ったのは坂本。

6番手からの発進だったが、スタートでひとつ順位を上げ、3周目の1コーナーで平中をかわすと、それまでやや間隔を開けられていた竹谷にも、迫っていったからだ。中盤以降は背後に平中を置いて、何度も竹谷にプレッシャーをかけていた坂本。だが、最終ラップのゴール直前で一瞬、気の緩みが生じたのか、スリップストリームから抜け出した平中に抜かれ、5位となってしまった。

紅一点#18古井戸彩子 選手も大活躍!

「スタートが決まって良かったです。でも、きついレースでした。後ろが速い方なので、少しも離れなかったので。
それでも速いところ、遅いところをしっかり見極めて、タイヤを使うところと使わないところをしっかり分けて、最後まで走ることができました。
次のレースも同じタイヤを使わなくてはいけませんからね」
(古井戸)


続くレース2のポールポジションは坂本が獲得。バトルの最中にファステストラップ、1分34秒356を記していたからだ。
これに続いたのは連勝を目論む古井戸で、3番手は佐藤。
以下、竹谷、中川、平中の順で続くこととなった。

 レース2の決勝では、坂本がやや出遅れてしまったのに対し、古井戸はまたしても好スタートを切り、1コーナーで前に出ることに成功。だが、その際に軽い接触があり、古井戸は左のリヤタイヤにダメージを負って白煙を吹き上げる。

1周目のオーダーは古井戸、佐藤、平中、坂本、竹谷の順。オープニングラップのうちに順位を上げてきた平中が、この中では最も勢いに満ち、2周目には2番手に上がり、3周目にはトップにも躍り出た。

 その後、徐々に平中が逃げ始めた一方で、古井戸はタイヤに負ったダメージの影響でペースが上がらなくなり、ならば自分がと、攻めの走りに打って出た佐藤が4周目にスピンを喫し、順位を落としてしまう。

この混乱に乗じて一気に3番手に浮上したのが坂本。6周目には古井戸もかわして、次第に平中との差を詰めていく。そして9周目の1コーナーでトップに浮上! そのまま逃げ切った坂本が初優勝を飾り、2位は平中。そして3位は中川が獲得した。一方、古井戸はタイヤがカウルに干渉し始めたこともあり、8周目にピットでの修復を余儀なくされることに。レース2は最下位での完走を果たすに留まった。

「スタートは良くなくて、いったん5番手にまで落ちたんですが、前の2台が失速したところをまとめて抜いて3番手に。
前には古井戸さんや平中さんがいたんですが、すごく運転しやすくて、ペースも良かったので、なんとか追いつけるかな、追い越せるかな……という感じで。
僕は十勝でデビューした後、筑波でFJ1600やってプロ目指したんですが、20代でレースをやめてしまって……。
昨年復活して、トータル30レースぐらいになるんでしょうね、これが初勝利です。
まだまだやっていきたいですね、こんな楽しいことを」(坂本)

次回のレースは先にも述べたとおり、
3時間耐久として9月8日に開催される。
本州からの遠征も多く、また開幕戦ウィナーの鶴賀も再び姿を見せることだろう。
より一層の激戦となることを期待したい。

記事:秦 直之さん